2024.12.16

歯科衛生士国家試験の傾向と対策 歯磨剤の成分について

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歯科衛生士国家試験の傾向と対策 歯磨剤の成分について

国家試験まで残り少なくなってきました。受験生のみなさんはもちろんですが、今後受験を控えているみなさん、国試対策はできていますか?今回も前回に引き続き過去問から1問出しますので考えてみてください。

今回は口腔衛生学から出題します。

第29回歯科衛生士国家試験より出題です。

歯磨剤の成分で、固体成分と液体成分が分離しないように配合されているのはどれか

1つ選べ。

a 研磨剤

b 粘結剤

c 発泡剤

d 保存料

正解 b

〈正解へのアプローチ〉

歯磨剤の成分は、基本成分と薬効成分とに大別される。基本成分は研磨剤と発泡剤を主成分とし、その他に保湿剤や結合剤(粘結剤)などがあり、それぞれの目的応じて配合されている。

〈出題の解説〉

a 研磨剤は歯の表面を傷つけずにプラークや着色など歯の表面の汚れを落とす。

主な成分・・・リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなど。

b 粘結剤は固体成分と液体成分の分離を防止し保型性や適度の粘性を与える。

主な成分・・・カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなど。

c 口腔内に歯磨剤を拡散させ歯垢などの沈着物の付着力を減弱化し効果的に除去できるようになる。

主な主成分・・・ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルなど。

d 保存料は変質を防ぐために配合されている。

主な主成分・・・安息香酸ナトリウム、パラベン類など。

6つの基本成分は

清掃剤(研磨剤)、保潤剤、発泡剤、粘結剤、香味剤、保存料で構成されています。

薬用成分は

う蝕予防、歯周病予防、歯石の沈着予防、象牙質視覚過敏の抑制に作用するものがあります。

〈ほりい矯正歯科クリニックにある歯磨剤の紹介をします〉

アパガードリナメルアパガードリナメル

アパガードリナメルです。傷付いた歯の表面を修復しミネラルを補給します。プラークやステインをつきにくくし、虫歯を予防します。薬用ハイドロイキシアパタイトはほぼ歯と同じ成分でエナメル質に馴染みやすいのが特徴です。その効果・効能は一般のハイドロキシアパタイトとは区別されます。より健康で綺麗な歯を手に入れたい方にオススメです。

チェックアップスタンダードチェックアップスタンダード

チェックアップスタンダードです。高濃度フッ素配合で歯や歯茎に優しい低研磨性です。

少ない泡立ちなので少量の水で洗口することでより多くのフッ素を残す事ができます。

チェックアップこどもチェックアップこども

チェックアップこどもです。お子様のためのフッ素配合歯磨剤です。これもチェックアップスタンダードと同様、少ない泡立ちなので少量の水で洗口することでより多くのフッ素を残す事ができます。

コンクールジェルコートFコンクールジェルコートF

コンクールジェルコートFです。虫歯の発生および進行・歯周炎(歯槽膿漏)・歯肉炎の予防・口臭の予防などに効果があります。ほりい矯正歯科クリニックでは歯科矯正用アンカースクリューの周囲を磨く時はコンクールジェルコートFをすすめています。

歯磨剤を使わずに歯ブラシだけでブラッシングしても丁寧に行うことでプラーク除去することができます。刺激が少ない、歯の表面が削られないなどメリットがあります。しかし虫歯や歯周病、口臭などの予防や歯についた着色除去などの効果を得るには歯磨剤を併用したブラッシングが必要です。

目的に合わせて歯磨剤の成分表示を見て使い分けるのもいいですね

また次回もお楽しみに!

〈参考文献〉

・日本医歯薬研修協会 Complete+DH歯科衛生士国家試験完全攻略2022年版P129

・最新 歯科衛生士教本 歯科予防処置論・歯科保健指導論 第2版(一社)全国歯科衛生士教育協議会 監修 P269〜273

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