衛生士国家試験の対策と傾向 歯列弓の形態編
来年国試を受ける皆さん、夏も終わりかけてきましたが国試対策は進んでいるでしょうか?
今回も過去問から類題を出しますので一緒に考えて見てくださいね!
今回は歯列弓形態に関する問題です。
第25回歯科衛生士国家試験の類題です。
歯列弓の形態に関する出題
口腔内写真を示す。歯列弓形態を表すのはどれか。2つ選べ。
a 狭窄歯列弓
b 空隙歯列弓
c 鞍状歯列弓
d V字型歯列弓
歯列弓の形態に関する出題の解説
問題の解説に入る前に選択肢の定義についておさらいしておきましょう。
まずa 狭窄歯列弓とは歯列弓の臼歯間副径が狭い状態のことをいいます。
上顎では口蓋が深い場合が多いです。
次にb 空隙歯列弓とは歯間に空隙が見られる歯列弓で顎骨過大、矮小歯、巨舌、タングスラスト(舌突出癖)、歯数不足などでみられます。
c 鞍状歯列弓は下顎歯列弓にみられるもので下顎骨の劣成長、大臼歯の近心転位などにより小臼歯の萌出余地不足をきたし、小臼歯が舌側に萌出することによって歯列弓が鞍状になる歯列弓です。
d V字型歯列弓とは狭窄歯列弓の一つですが、犬歯部が狭窄し、中切歯が唇側傾斜して文字通りV字型をした歯列弓です。
これらを踏まえて症例写真をみてみると、歯列弓の狭窄を認め、下顎第二小臼歯が舌側に萌出しており、全体的鞍状歯列弓の形態を呈していることがわかります。
以上より正解はa 狭窄歯列弓 c 鞍状歯列弓 です。
今回の国試問題いかがだったでしょうか?
これを機に歯列弓形態に関する類似問題にトライしてみて下さいね。
次回もお楽しみに!
<参考文献>
・日本医歯薬研修協会 Complete+DH 歯科衛生士 国家試験完全攻略2022年版p.423より引用。
・医歯薬出版株式会社 歯科矯正学 第5版 p.78-79より引用。