衛生士国家試験の対策と傾向 歯の位置異常編
来年国試を受ける皆さん、本格的に夏がやってきましたが国試対策は進んでいるでしょうか?
今回も過去問から類題を出しますので一緒に考えて見てくださいね!
今回は国家試験で頻出の歯の位置異常に関する問題です。
第25回歯科衛生士国家試験の類題です。
歯の位置異常に関する出題
11歳の男子。歯並びが悪いことを訴えて来院した。初診時の口腔内写真を下に示す。
上顎両側犬歯の位置異常をどれか。
2つ選べ。
a 低位
b 遠心傾斜
c 唇側転位
d 交叉咬合
歯の位置異常に関する出題の解説
問題の解説に入る前に選択肢の定義についておさらいしておきましょう。
まずa 低位とは歯の切端あるいは咬頭頂が咬合平面に達していない状態のことをいいます。
低位の対義語が高位になります。
次にb 遠心傾斜とは歯の長軸が遠心方向に傾いている状態のことをいいます。
転位とは歯が歯列弓の正しい位置から外れることをいい、c 唇側転位とは前歯が歯列弓より前方、あるいは外側に位置を変えている状態のことをいいます。
d 交叉咬合とは咬頭嵌合位において上下顎の歯列弓が相互に交叉して咬合している状態のことをいいます。
これらを踏まえて症例写真をみてみると、上顎両側犬歯は歯列弓より唇側に位置し、また尖頭が咬合平面に達していないことがわかります。
以上より正解はa 低位、 c 唇側転位 です。
今回の国試問題いかがだったでしょうか?
これを機にAngleの不正咬合の分類に関する類似問題にトライしてみて下さいね。
次回もお楽しみに!
<参考文献>
・日本医歯薬研修協会 Complete+DH 歯科衛生士 国家試験完全攻略2022年版p.424より引用。
・医歯薬出版株式会社 歯科矯正学 第5版 p.76-80より引用。