衛生士国家試験の対策と傾向
今年国試を受ける皆さん、4月は新しい環境での生活が始まる方もおられると思いますが慣れてきましたか?今回も前回に引き続き過去問から1問出しますので考えてみてくださいね!
今回は歯科予防処置から出題します。
第30回歯科衛生士国家試験より出題です。
51歳の女性。歯周治療終了後、6ヶ月後のメインテナンスで来院した。歯周組織検査後、歯科医師より歯科保健指導と歯面清掃を行うよう指示された。
O’LearyのPCRの結果を図に示す。
歯面清掃に使用するのはどれか。2つ選べ。
a ラバーチップ
b 研磨用ディスク
c デンタルフロス
d ポイント型ラバーカップ
正解 c.d
〈正解へのアプローチ〉
PCRの結果から、臼歯部隣接面のプラーク付着が認められるため、歯面清掃が必要となる。歯科医師や歯科衛生士が行う専門家による徹底した歯面清掃をPMTCという。歯面清掃では、歯肉縁下3㎜程度までの歯根面清掃が可能である。
〈出題の解説〉
×a ラバーチップは歯と歯の間の汚れを落とす。また、歯肉に押し付けて、歯肉の形態修正を行う器具である。
×b 研磨用ディスクは、補綴物の研磨に口腔外で用いる器具である。
⚪︎c デンタルフロスは歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間の清掃に用いる清掃用具。
⚪︎d ポイント型ラバーカップは歯列不正部位や歯と歯の間の清掃に用いる清掃用具。
解説だけではイマイチイメージできないという方のために今回はほりい矯正歯科クリニックで行っているスペシャルクリーニングについても紹介します。
〈スペシャルクリーニング〉
ほりい矯正歯科クリニックで行っているスペシャルクリーニングは患者さんのお口の中の健康状態にあわせて専用の機械を使い、より健康に美しい歯になるようにケアしていきます。
①カラーテスターにて染め出し
歯垢を赤く染め出るカラーテスターという液を使い、普段の歯磨きで磨き残している苦手な場所を見ていただきます。
②歯磨きの練習
染め出されたところをどのように磨くと綺麗に落としやすいかポイントをお話しします。ホームケアの参考にしてください。
③歯石の除去
エアースケーラーという機械を使って歯石や硬くなった歯垢を除去します。特に歯石がつきやすい下の前歯の裏側などは舌で触って除去後の感じを確かめてみてください。
④歯面研磨
コントラという機械とブラシを使って、おおまかな歯垢や茶シブを落としていきます。歯磨きでは落とせない部分も落とします。
⑤歯のトリートメントケア
柔らかいゴムのカップを使い、歯と同じ成分(ナノ粒子ハイドロキシアパタイト)が入ったペーストを歯に塗り込み、栄養を補給します。目に見えないミクロの傷を埋めて補給します。歯の表面が艶やかに輝きます。
⑥フロッシング
フロスを使い歯と歯の間の汚れまでしっかり落とします。お家でも是非お使いください。
⑦アロマGUMマッサージ
指の圧力とアロマ成分の入ったジェルで歯茎のコリをほぐし、お口の中から筋肉を伸ばし、マッサージします。リラックス効果もあります。
⑧フッ素コーティング
虫歯予防に高い効果のあるフッ素を歯にコーティングし、歯を強くします。
以上が、ほりい矯正歯科クリニックで行っているスペシャルクリーニングの流れです。
矯正専門医の歯科衛生士は専門的なことをしているイメージがあるかもしれませんが少し違います。矯正歯科で働くと一般歯科の知識や技術が消えるのでは、、、と思う方がいるかもしれないですがそんなことはないです!クリーニング以外にもブラッシング指導や印象採得など歯科衛生士の3大業務をたくさんしています。少しでも興味があったら是非見学に来てください!!
また次回もお楽しみに!
<参考文献>
・日本医歯薬研修協会 Complete+DH 歯科衛生士 国家試験完全攻略2022年版p.609より引用。